はじめに

2026年の現在、LLMをベースにした技術革新はトレンドとして確定的になった。

  • プレーヤーは多様化した
  • ベンチマークスコアは大きく向上した
  • 外部コンテキストの読み込み方法も進化した

結果として、解ける問題の質・量は格段に向上した。一般ホワイトカラーとして働いている自分にとって、AIは業務に不可欠であり、利用できないとほとんど仕事が進まないくらいに依存している。

今のタイミングで、AIとの向き合い方を書き下しておきたい。現在の向き合い方は、数年後には通用しなくなっているだろう。何が変化し、何が変化しないのかを知りたいと思った。数年後にメモを振り返れば、何か面白いことがわかるのではないだろうか?

やることを分解する

AIとの向き合い方をできるだけ単純に還元すると、以下の3つに集約されるだろう1

  1. AIで何ができるかを把握する
  2. 自分のユースケースを理解する
  3. ユースケースと素のAIの差分を埋めるエンジニアリングをする

AIで何ができるのかを把握する

何ができるのかのイメージを持っていなければ何もできない。イメージを持っていれば実現できるわけではないが、実現するためにはイメージを得ることが必要なのだろう。

現代はあまりに情報が錯綜している

  • スクールによるポジショントークは間違っていることも多く、驚き屋に近い言説も混じる。
  • SNSの収益狙いの発信は、言い過ぎている場合も多い。
  • 社内のオピニオンリーダーは、しばしば車輪の再発明をしている。

車輪の再発明を避け、驚き屋のインプレッション狙いを回避するため、最近は以下のようにして情報を収集している。

  • リサーチブログを読む。Anthropic・SakanaAI・OpenAIのリサーチブログを読む
  • より詳細なテーマに関しては論文を直接読む。Text to SQLなど
  • 実際に手を動かす

自分のユースケースを理解する

ユースケースを理解するとAIは使いやすい。本質はデジタルトランスフォーメーションと同じである。

  • 既存のプロセスを踏襲してAIを組み込むと、しんどいことになる
  • 必要なのは、AIが存在する前提でプロセスを再構成することだ
  • プロセスの再構築のためには、プロセスが存在する理由やより上位の意思決定の背景、過去の経緯、収益構造、他部門の動きを把握する必要がある

自分の仕事を一番理解しているのは自分である。オピニオン・リーダー達ではない。

ユースケースと素のAIの差分を埋めるエンジニアリングをする

モデル自体、あるいはClaude CodeCodexのツール単体には、ユースケースを埋める力はない。

  • コンテキストは不十分だ。必要な情報が欠けている。情報を与える手段を考える必要がある。
  • AIはあなたが意図しない動きをするかもしれない。制御するためにはどうしたらいいか?
  • そもそも「意図」を再現可能なプロセスとして記述できるレベルで、要件を把握しているか?(ユースケースの話に戻る)
  • AIが出力した結果を検証するためにはどうしたらいいか?

楽をする方法を模索してみたが、結局のところ手を動かす以外に道はないようだった。地道にやるしかなさそうだ。

資本と同じように向き合う

元来、ホワイトカラーのアウトプットの量を増大させるには対人のマネジメントの質が重要とされていた。知識労働をスケールするには人を増やすしか方法がなく、優れたマネジメントとは、他人をして力を発揮させる能力を持った人物に他ならないと認識されていた。

現代では、アウトプットの量を増大させる手段に「AIが働く環境を整える」が追加されたように思える。AIは24時間265日利用可能な労働力であり、人間のように不機嫌になったりはしない。コンピュータを使うホワイトカラーと、全て手作業で業務を行うホワイトカラーで生産性に大きな差が出るのと同じように、位置付けとしては資本に近いように思える。

現状の状況は、産業革命の頃とよく似ている。AIは人間の労働力を増幅する資本であり、資本で人数制約を打開する可能性が存在する時代となった。

  • 一度作った仕組みには複利が働く
  • 同じ判断から出せるアウトプットの量にレバレッジが効くようになる
  • 減価も存在する。モデルが進化に伴いアセットは陳腐化する。
    • Anthropicのブログでも指摘されているとおり、「ハーネスのあらゆるコンポーネントは『モデル単体ではできないこと』を前提にしており、前提はモデルが進化すると古びる」のである2

一回限りのタスク消化から、再利用可能な道具・コンテキストの構築にシフトする。資本蓄積ゲームをうまくやりたい。

健康と向き合う

AIにより実行可能なことをAIに移譲していた結果、知的労働の負荷は増大した。ストレスも大きくなる以上、今後は今までよりもハードなマラソンになるだろう。

健康の三要素である睡眠・運動・食事を突き詰め、健康の維持を目指していく。

  • 睡眠は資本投下のゲームである。低反発マットレス、オーダーメイド枕、リカバリーウェア、オールシーズン掛け布団を揃えよう。ウェアラブルデバイスで睡眠を計測し、自分にとって最適なリズムを探ろう。
  • 運動は習慣のゲームである。週に一回の運動は週に一回の苦痛だが、週3回は習慣だ。習慣としての維持を目指そう。一回の運動強度は重要ではない。習慣化することの方が重要だ。
  • 食事はリソースプランニングのゲームである。厚生労働省の日本人の食事摂取基準を読んで、必要な栄養を計算しよう。家計を管理し、支出可能な枠を計算しよう。ケチになるな。

目指すのは平均速度の最大化だ。最大瞬間風速は高くなくていい。リズムが崩れるポイントを減らしつつ、アクセルを踏みたくなったタイミングで勢いをつけられるように体力に余剰を持っておく。

おわりに

順次書き直していく


Footnotes

  1. cf: ブラウザでしか操作できないWebアプリをAIが操作する手段の検討

  2. Harness Design for Long-Running AI Applications