2年ぶりにエンジニア向けのLT会に参加してきた。過去に比べて、意図がよく伝わらないポンチ絵が格段に増えたように思う。官公庁のスライドで見かけるような情報を圧縮した職人芸ポンチ絵ではなく、意図がよくわからない、AI生成されたっぽさがある抽象的な図のことだ。

イメージ: 概念同士の連関図

イメージ: 概念同士の連関図

例えば「抽象的な概念同士を矢印で結ぶ」の場合、一つの矢印を利用して「AがBを引き起こす」(因果関係)、「Aの次にBを行う」(前後関係)、「Aの一例がBである」(抽象・具体の関係)など複数の関係を表すことができるため、矢印の意味がわからない事態になっている。その矢印はどういう意味なんだい?

Image from Gyazo

イメージ: なぜその区切りにしたんだい?

別の例を出そう。「何かを区切っている図」を見かけることもよくある。この手の図は、ほとんどの場合においてなぜその分割の基準にしたのか明快ではない。つまり分け方の詰めが甘く、分割の仕方がMECEではない。概念など抽象的なオブジェクトを分けたがる傾向があり、具体例を区切って分類したりなど、帰納的な分け方はやろうとしない特徴がある。

LT会で発表するようなエンジニアは多くの場合多忙であり、AIを用いて発表資料を高速に作成したくなる気持ちはよくわかる。AIで発表資料を作るプラクティスが浸透した結果、意図が伝わらないポンチ絵が多用される現象を「ポンチ絵スロップ」と呼びたい。

発表に利用するスライドは中間制作物であり、スライドを作る目的は聞き手へのアクションを引き起こすことだ。ただ作るのではなく、聞き手の行動変容をもたらすアウトプットを作るべきだ。主張や関係について、聞き手の解釈がばらつく余地はできるだけ小さくあるべきだ。小説書いてるんじゃないだろう?

本当にその図は必要ですか?あなたの目的はなんですか?